八万四千もの膨大なる法門から、正行たる報恩感謝の御念仏の道を見つけて下さったのは、浄土真宗御開山親鸞聖人でございました。御本尊たる阿弥陀如来による他力の回向、摂取不捨のおはたらきは、釈尊の御説法によって顕かになり、その御教えは『浄土三部経』として遺され、今日の私共にまで確かに伝わっております。
そして、釈尊から親鸞聖人に至るまで、七高僧として崇敬されるインドの龍樹菩薩、天親菩薩、中国の曇鸞大師、道綽禅師、善導大師、そして日本の源信和尚、源空(法然)上人といった御先達の方々によって、浄土の御教えの法統は確かに受け継がれてきたのです。
そして、親鸞聖人が御先達より賜った他力安心の法統は、現在に至るまで、東本願寺御歴代の善知識の方々によって、確かに護られてきたのでした。
今日、私たちが浄土真宗の御教えに出会うことができるのも、ひとえに阿弥陀如来、釈迦如来の大悲の御恩と、七高僧や御開山親鸞聖人をはじめ、歴代の善知識の方々の御苦労があってこそ。今ここで、浄土真宗の歩みについて、振り返ってみることと致します。